顔が好き、ということについて
よく言われるよね、バンドファンの女に対して「どうせ顔ファン」って。
私も自分の好きなバンドに対して時々「今日のルックス最高ですなあ」って思うけど。
顔だけでバンドのファンするのってきつくない?「顔ファンが減ったらチケットが取りやすくなる」ってのたまう輩もたまにいるけど。
仮によく言われる「顔しか見てなくて音楽なんてどうでもいい層」っていうのが本当にいたとして、そういう人たちがライブの集客の大半を占めてると仮定して、ライブのメインは言うまでもなく音楽なんだから、いくら顔が好きでもどうでもいい音楽がずっと流れ続けてる空間に2時間いるのは苦痛だろ。ていうかあんなに盛り上がらないだろ。
まず「顔ファンが減ったらチケット取りやすくなる」って「自分の好きなバンドはほとんどが音楽なんて聞いてない顔ファンです」って言ってるのと同じじゃないですか。普通にバンドに失礼だと思わないんだろうか。
「顔ファン」ってほとんどが男性のバンドに対する女性ファンに使われると思う。
でもYouTube開いたら女性メンバーがいるバンドの動画に山ほどついてる、男性によると思われる「〇〇ちゃん可愛い、エロい」ってコメントはどうなるんだい。
たまに音楽ブログみたいなの見てると「このバンドは女ウケ」って言ってるのと同じ口で女性バンドマンに対して「可愛い」だのなんだの言ってるのあるけどあれもどうなんだい。
大学の学部生時代、周りの男子がやたらと女子の格付けをしてたのを思い出す。口を開けば「〇〇ちゃんはまじで可愛い」だの「あいつブスじゃね?」だの。お前ら視覚からの情報しか処理できへんのか。
あまり突っ込みすぎるとジェンダーの問題になりそうで、詳しくない私が言うのは言うのは控えるけど、これって日本(だけなのかどうかわからないけど)によくある男性が女性の見た目を過剰に重視し、格付けし、時にイジリの対象にするっていう現象の一つなんだろうな。あと鴻上尚史さんが言ってた「見る性」「見られる性」の不均衡。
「顔ファン」を持ち出す彼らからすれば、女性が男性の見た目に対してあれこれ言うのが許せなくて、反対に女性の見た目の話をするのは無意識レベルというか。
Twitterでバンドの女性ファンが「バンドマンにこんなこと言うのはよくないけど、今回のインタビューの写真の顔がいい」って言ってるのたまに見るけど、「顔ファン」って言われるのを避ける予防線なんだろうなって思う。
「音楽から入ったので、後日アー写を見てイケメンなのにびっくりしました」っていうのもそう。バンドなんだから音楽を好きに決まってるのに、わざわざ言わなきゃ「顔ファン」疑惑をかけられる悲しさ。
好きなものの良いと思うところを素直に良いと言えないのも窮屈だよな。
「音楽が死ぬほど好きで顔も好きですけど何か問題あります???」って開き直りたいけど、この溝って、どうにかして埋まらないものかな。